ヒマラヤのふえ
 
 
 
 
 
 
 
 
ラマチャンドラン作
木島始 訳
 
 
 
 
 
昔ヒマラヤのふもとクマオンというところでうたわれていた物語。
岩だらけのごつごつした土地にふしぎなふえの音がひびき、美しい花園に
なっていく・・・。
 インドの大地に咲く一輪のハスの花は、いつか地に落ちて枯れ草色の花
びらになり,やがて土に還っていく。それは自然の生命のめぐりが放つ一瞬
一瞬の美しいインドの輝きだ。花には花の、枯れ草には枯れ草の土には土
の美しい光がある。
 
 ラマチャンドランの絵本は、まさにインドの光に満ちあふれている。インドの
風土に根ざした自然観、宇宙観から組み上げられた色と形と線が織りなす
独特の絵と、木島始による美しい言葉のひびきが、すばらしい絵本世界を奏
でている。
あふれるインドの光
ラマチャンドラン
1935年、インドのケララ州に生まれる。ケララ大学
マラヤラム語文学部で学んだあと、サンチニケタンの
現タゴール大学で美術を学ぶ。
1992年まで、ニューデリーのジャミアミリア大学美
術教育学部教授。現在、インドの現代美術を代表す
る画家として活躍している。
インド、イギリス、アメリカ、そして日本で出版された
絵本は、50冊を超える。
野間絵本原画コンクールで受賞
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